すべてオンライン開催、が疲れる理由

共同研究者のおかげで、数年前からはじまったZoomでのオンラインミーティング。
気心の知れた数名で行う分には、まったくストレスを感じず、画面共有などほんとうに便利!と思っていました。
…が、数十名での数時間にわたるオンライン会議は、予想をはるかに超えて、猛烈に疲れます。
それはなぜか、少しだけ理由を考えてみました。

顔を出す?出さない?見られてるかも?の疲労
知り合いの先生方との会議は、(暗黙的に)顔出しで行われます。
自分の顔、話している人の顔、聞いている人の顔…気がつけば、画面共有される資料のほかに、たくさんの表情を追いかけてしまい疲れます。
もちろん、非表示に設定することもできますが、その場に「いる」感覚を味わおうとすると、消すのもどうかなという気持ちです。
相手の顔が見えるということは、自分の顔が常に相手に見えている、ということでもあります。
思っているよりは見られていないはずですが、ちょっとストレッチをしたい、トイレに行きたい、ぼーっとしたい、という息抜きはとてもしづらい。
学生時代を思い出すと、ちょっと隣の人と話したり、飲み物を飲んだり、軽く首を回したり、他のことを考えたりしながら、90分の授業を受けていました。
それができない(してもかまわないけれど、しづらい)という状況は、わたしにとっては思いのほか苦しいです。

ずっと同じ場所に居続ける疲労
顔出しとも関係しますが、ビデオをオフにすれば自分の顔だけでなく、参加している場所(例えば片付いていない部屋の壁)も見られないので安心です。
マイクをミュートにしてよいのであれば、周りの音も相手に聞こえません。
でももし、発言することが求められる場合は、いろいろな音が混ざらないよう、静かな場所で参加する必要があります。
となると、個室がない人はかなり困るはずで、個室がある人でも同じ部屋に居続けなければいけません。
実はこれも、気分転換の機会を減らしているように思います。
通常の学生生活では、授業毎に教室が変わったり、受講生が変わったりするので、それだけで気分を切り替えることができます。
けれども、Zoom会議が延々と続く場合は、(小さな)画面を見続けることになり、不思議と持続力が枯渇していくのです…。

ということで、(1) 見られていることが気になると、途中で息抜きがしづらい、(2) 参加している場所が同じだと、見える景色が一緒で気分が変わらない、という2つが、私にとっては疲れの素なのかなと思いました。
学生がどう感じるかはわからないけれど、
・個室が家族と同室で授業を受けなければならない
・時間割の都合上、日に3, 4コマのオンライン授業を、続けて受講しなければならない
・全コンテンツをスマホで視聴せざるを得ない
など、いろいろな「苦」が待ち受けていると想像できます。
どうすれば「楽」な時間に変えていけるのか、できる限りの工夫を考えていきたいと思います。